P+ARCHIVE(ピープラスアーカイブ)は、地域・社会と関わるアート活動を未来へ伝えるためのアーカイブ活動です。
作品としてかたちに残りにくいさまざまなアート活動では記録の整理が後回しになり、ときには失われることもあります。しかし、その制作過程やアーティスト・関係者の考え方を記録に残すことで、作品だけでは伝わらない活動の背景を未来に伝えることができます。
私たちは、アート活動の現場で抱える記録の課題に耳をかたむけ、共に課題解決を考えることを大切にしてサポートに取り組みます。
そして、その記録をさまざまな人びとが共有できる「アーカイブ」として未来に活かしていくことが大切だと考えています。そのために、課題を共有し、有効な手段や情報を発信し、アーカイブの実践を支援することを目指しています。
P+ARCHIVEの「P+」には、次の3つの「P」が込められています。
Public -公益性-
みんながアクセスできるアーカイブの公益性を尊重します。
Process -活動を作り上げる過程-
アート活動の過程で生まれる記録を残し、それを未来に伝えます。
People -活動に関わる人々-
アーカイブの実践に関わる全ての人を支援します。
P+ARCHIVEはNPO法人アート&ソサイエティ研究センターが取り組む事業の一つです。
2009年の設立以来、当法人は地域社会や人びとに深く関わる国内外のアート活動を調査・研究し、さまざまな支援をおこなってきました。その取り組みの中でアート活動の記録が残りにくいという課題に注目し、2010年から現在のアーカイブ事業につながる活動を開始しました。
現在、P+ARCHIVE事業は、パブリック・アートや現代アート、美術教育、アーカイブズ学の専門知識をもつスタッフによって、アート・アーカイブに関するさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。
私たちが大切にしていることは、アーカイブに関する課題に向き合い、現場のニーズに合わせた柔軟な課題解決を共に考え、そして実践していくことです。アーカイブの原則を尊重しながら、その価値と可能性を信じて、創造に関わるあらゆる活動に寄り添った支援に取り組みます。
P+ARCHIVEは、2010年6月にNPO法人アート&ソサイエティ研究センターと東京文化発信プロジェクト室(現・アーツカウンシル東京)の共催事業として開始し、2014年度からは自主事業として多角的な活動を継続しています。
資料の収集・整理・公開
地域・社会と関わるアート活動をアーカイブするために、アーツ千代田3331にて国内外におけるアート・プロジェクトやパブリック・アートに関する書籍・カタログ・資料などを収集・整理・公開する「アーカイブセンター」(2011〜2022年度)の運営を続けてきました。
アーカイブ手法の研究と発信
アート活動に適したアーカイブ手法の研究・開発に取り組み、「アート・アーカイブ・キット」(2013年度)、「アート・アーカイブの便利帖」(2015年度)、「エイ・エイ・オー(Art Archive Online)」(2020年度)などを通じて、全国のアート団体に向けてノウハウを発信してきました。
アーカイブ構築の支援
実際のアート・プロジェクトの現場で実践するアーカイブ構築を現場のニーズに合わせた手法でサポートし、これまでに「Morphe’95-2000 アーカイブ」(2011年度)「アーカスプロジェクト・アーカイブ」(2015〜2019年度)などのプロジェクトに取り組んできました。
これまでの活動内容や実績は、下記の沿革にまとめています。