1890年代、ケンタッキー州は世界一の石炭産地で有名だったが、現在では石炭産業が廃れ、かわりに天然ガスの掘削の脅威にさらされている。人口1000人あまりのエルクホーン市も例外ではなく、環境搾取か、美しい自然を活かしたエコ・ツーリズムか、どちらかの選択に迫られていた。最終的に市の有識者は長期的な視野にたって、環境、文化、経済の持続可能な地域づくりをめざすようになる。そこで3人のアーティストが招聘され、鉱山のまちから環境保護志向への転換期において、数年間にわたり住民とともに様々なプロジェクトを実践した。地域遺産としての川を縦糸に、まちの人びとの個人的な経験を横糸にして、エコロジーにフォーカスした観光産業への夢を実現しようとするもの。具体的にまちの自然・文化・歴史が織り込まれたブルー・ライン・トレイルを計画。遊歩道に沿って展望テラス、ピクニック・テーブル、鳥小屋、標識、コミュニティ・ミュラールが点在し、ブルーのラインをサインに歩き、川とまちの景色を楽しむことができる。ミュラールは子供から高齢者までいたる大勢の市民がまちの歴史や自然を描いたもの。タイルによるキルト風のデザインと古い写真を再現した壁画やテキストからなる。公園には川にまつわる住民の思い出が刻まれたベンチが設置された。プロジェクトはAppalshop Community Gallerymとエルクホーン地域遺産評議会からの助成を得て始められた。その後アーティスト自身がCreative Capital からの助成を得て、レイシーが教鞭をとるロサンジェルスのOtis美術大学の学生たちも滞在し、住民とのワークショップが活発におこなわれ、コミュニティの再生を紡ぐ媒体となったのである。
アーティスト | Suzanne Lacy, Susan Leibovits Steinman, Yutaka Kobayashi |
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アーティスト(日本語) | スザンヌ・レーシー、スーザン・レイボヴィッツ・シュタインマン、小林豊 |
ジャンル(建築家、ランドスケープなど) | アーティスト |
場所(国) | アメリカ合衆国 |
場所(原語) | Elkhorn, Kentucky |
完成年 | 2004 |
施主・主催 | Elkhorn City Heritage Council |
関係団体(共催、後援、助成、協賛、協力) | Appalshop Gallery||Creative Capital Foundation |
資金源 | 公的資金 |
資金源(その他の場合) | 民間資金 |
予算規模(円) | 1億以上 |
外部リンク | http://harriesheder.com/project/miramar-regional-park/ |
タグ(地域、テーマ) | アメリカ, 環境/エコロジー |