「11 March Memorial for the victims」は、マドリードでのテロによる犠牲者191人を弔うメモリアルとして、アトーチャ駅の広場に2007年3月11日完成した。
重量140トンにもなる15,000個の曲面ガラスブロックが硬化液体アクリルにより接着された楕円形のメモリアル。地下部分はアトーチャ駅につながっており、薄暗い青色に塗装された地下空間からメモリアルに入り、11m、直径8mのシリンダーを通して空を仰ぎ見る仕掛けになっている。ガラスシリンダーの内部には、犠牲者の名前と、会葬者によって駅に残された数百のもの悲しみのメッセージが透明なプラスチックフィルムに刻まれている。太陽の光によってテキストの見え方も変わるのだ。
夜間には、ガラスシリンダーは内部から開口部に向かってライトが空に静かに放射される。あたかも巨大なランプのように見える。
メモリアルの設計者は、駅から人々がこのメモリアルに入った時に、外部の音を遮断し、あたかもすべてが凍結し時間が止まってしまったよう場をつくりだしたかったという。このサウンドレスの空間が瞑想空間であり、メモリアルの核となっている。
マドリードの一年間の気候の変動は大きく、また風力に耐えうる構造が求められた。厚さ10㎜と12㎜のガラスブロックが用いられ、強化ガラスでありフロート法を用いて極めて高い透過率で製作されている。
アーティスト | Studio FAM (Fascinante Aroma a Manzana) |
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アーティスト(日本語) | スタジオ・ファム |
ジャンル(建築家、ランドスケープなど) | 建築家 |
場所(国) | スペイン |
場所(原語) | Av.Ciudad de Barcelona junto al Intercambiador de RENFE. Madrid |
完成年 | 2007 |
施主・主催 | Madrid City Council、RENFE |
関係団体(共催、後援、助成、協賛、協力) | Schlaich, Bergermann und Partner (SBP). Fhecor(構造設計)、 Urculo Ingenieros. Comacal(施工業者)、 Dragados S.A.(ジェネラル・コンストラクター) |
資金源 | 公的資金 |
資金源(その他の場合) | |
予算規模(円) | 1億以上 |
外部リンク | http://www.worldbuildingsdirectory.com/project.cfm?id=244 |
タグ(地域、テーマ) | スペイン, メモリアル |