企業やブランド、商品やプロジェクトを表すための「ロゴマーク」は私たちの生活風景に溢れています。このワークショップでは、そのようなロゴマークに対する既成概念を取り外し、生活者としての「自分」を表すためのオリジナルなロゴ制作を体験しました。
プロジェクト名:大人の寄り道ワークショップ:自分のロゴをD.I.Y
アーティスト: 志喜屋徹
ワークショップ:2016年6月7日、14日(全二日間)
開催場所:amu
二日間にわたるワークショップの会場は恵比寿の「amu」。立地の良さからは想像できないほど、緑豊かで開放的な空間での開催となりました。
参加者には事前に自分を表す一言を考えてきてもらいました。「性格診断が好きな考える人」「思ったら吉日系アートLOVER」「アナログクリエーター」など、趣味や嗜好を盛り込んだ一言を自己紹介と共に発表してもらうことからワークショップがスタート。
講師は造形アーティストでありながら、広告会社でアート・ディレクターを勤める兼業造形アーティストの志喜屋氏。ロゴについての基本的な考え方、ロゴタイプとシンボルマークについての違い、シンボルマークの事例を個々のエピソードを交えながら分かりやすく紹介してもらいました。イントロダクションの最後には「自分ロゴ」の考え方についての解説があり、参加者は説明に聞き入りながら「自分ロゴ」のイメージを膨らませていました。
企業のシンボルマークはその企業が持っている商品やサービスなど様々なイメージを一つのカタチに集約、象徴したもの。個人のロゴの場合も同様で、その人が持っている人格や趣味など多様なイメージを一つのカタチに集約、象徴したものと言えます。まず自分のことを深く理解し、同時に、他人から見られている自分の印象を探り、それらをいかにカタチに落とし込むか。自分を探る上でも鍵となる、質問シートに答えていきました。
質問シートに答えることで、自分自身を振り返る時間が持て、パートナーからのアドバイスにより新たな自分の一面を発見するきっかけになりました。「自分ロゴ」を考える手掛かりとして、パートナーとのコミュニケーションや参加者全員によるディスカッションは大変有効に働き、自ずとクリエイティビティーが高まることが証明されました。今回のワークショップのもう一つの売りが、現役のクリエイターである講師との対話でした。参加者が自由に描いたラフスケッチや質問票から、プロのクリエイターだからこそできるアドバイスをもらい、自分の中に眠る感性を目覚めさせ、二日間のワークショップの最後には、参加者全員が唯一無二の「自分ロゴ」を完成させました。
頭の中に描いたアイディアや発想をいかに人に伝わるカタチに落としこむか。その難しさを実感するとともに、少しだけ視点を変えることで豊かな発想が生まれる面白さを体感することができました。今回のワークショップでの「自分ロゴ」の制作過程や考え方が、違う分野においても自分流を発見するヒントとなれば幸いです。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。