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2021.05.27

活動紹介04|クリーニングと資料の収納

資料保管庫に保存されている全ての資料を目録に登録することが完了したら、資料のうち分類が明白であり、かつ公開しやすい「カタログ・パンフレット」資料から、具体的な資料整理作業に着手していきます。

課題点の洗い出し

現状の課題としては、資料によってバインダーやボックスファイルなど収納方法が統一されていないことがまず挙げられます。また、資料IDの表示がないので、資料を検索するためにはその都度に担当者に聞く必要があり、効率がよくありませんでした。このような課題を改善するために資料を保存するボックスを統一し、ID検索ができるように移し替えをすることにしました。移し替え作業は、簡易ドライクリーニングの実施とボックスファイルへの収納で進めていきます。

クリーニング作業

全体的に保存状態は良好ですが、劣化の要因となるホコリや汚れを除去する簡易クリーニングを実施しました。それによって移し替えた新しい保存容器に劣化の原因である汚れなどが入り込まないようにします。

ドライクリーニングは、刷毛などを使い資料に付着したホコリなどの細かい汚れを除去します。今回の作業では、入手しやすい毛羽の出ない「キムワイプ」で作業しました。一部のカビ汚れなどは、資料の表面に影響がないことを確認して、消毒用エタノールで汚れを取っていきました。

また、粘着テープやホチキス針などはそのままにしておくと劣化の要因となるため、できる限り取り除いていきました。ただ、多くのテープは剥がすことが難しいので、将来的に専門家に依頼することも考えて目録に記録を残しました。

クリーニング作業の様子。

ボックスファイルに収納

全体的には経年劣化も少なく保存状態は良く、A4サイズに収まる定型サイズの資料が多くを占めるので、統一したサイズのボックスファイルに収納します。資料点数が多いため、入手・更新しやすい一般に普及した既製品を使用しました。重複資料も上限を定め、閲覧用にも活用できるように保存します。
厚みのある総合カタログは、背表紙が見えるように棚に並べて収納するようにしました。目録には資料の厚みも記録しているので、10mm程度を目安とし、ボックスファイルに収納する資料と背表紙に並べる資料を分けて整理しました。

クリーニングが完了した資料は、個別フォルダに挟み込んで年代順にボックスファイルに収納していきます。一つのボックスファイルがある程度いっぱいになったら、次のボックス、というように進めていきます。
個別フォルダに収納したときに、見出しの部分に整理IDを鉛筆で仮で記入しておきます。ボックスファイルの前面には付箋を貼って、仮のボックス記号を記入していきました。最終的に資料の体系化ができあがった段階で資料IDを決めてラベルを作成するので、この時点では仮の番号で管理していきます。

個別フォルダに鉛筆で仮の整理IDを記入する。

ボックスファイルに収納したら、前面に仮のボックス記号を記入した付箋を貼り付け棚に設置する。