NPO法人アート&ソサイエティ研究センターは、アーツカウンシル東京(旧・東京文化発信プロジェクト)の共催事業『P+ARCHIVE(ピープラスアーカイブ)』として、2010年度よりアートプロジェクトのアーカイブ事業に取り組んできました。
2000年代に入って多くのプロジェクト型のアート活動が日本全国で開催されるようになりました。そのような活動の記録をアーカイブするために、国内外におけるアート・プロジェクトやパブリック・アートに関する書籍・カタログ・資料などを収集・整理・公開してきました。
2011年度からは、アーツ千代田3331の3階にあるROOM302にて「アーカイブセンター」として収集した資料を一般公開しました。週2日の開館日には誰でも自由に資料を閲覧できるように運営してきました。
2023年3月にアーツ千代田3331が閉館されることに伴い、アーカイブセンターで収集した「全国アート・プロジェクト資料」は、アーツカウンシル東京からNPO法人アート&ソサイエティ研究センターに移譲されました。
この資料を散逸させずに、今後も利用に供することを継続するために、「全国アート・プロジェクト資料」を東京藝術大学 未来創造継承センターに寄託いたしました。
今後の資料の公開、利用、受け入れについては、未来創造継承センターのウェブサイトにてご案内予定です(秋頃に情報公開予定)。
東京藝術大学 未来創造継承センター
https://future.geidai.ac.jp/
アーカイブセンターの中心となる資料は「全国アート・プロジェクト資料」です。2000件を超える資料(2023年3月時点)の多くはアート・プロジェクトを実施する団体からの寄贈によって収集してきました。
資料を開催地ごとに「47都道府県+複数地」の48区分で分けて、資料IDを付与して目録で管理しています。いわゆる、灰色文献(一般流通していない書籍)が多く、全国でも有数の特徴的なコレクションとなっています。
資料情報はデータベース「SEARCH302」として公開し、所蔵資料をプロジェクト名称や開催地から検索できるように構築しました。
資料検索サイトSEARCH302
https://www.art-society.com/search_302/
アーカイブセンターは、アーツ千代田3331を訪れた地元の方、展示を見に来た方が資料を手に取っていただくことはもちろん、多くのアート・プロジェクト実践者や研究者の方々にも来館いただきました。アート分野だけでなく、社会学の研究者など学際的な観点からも資料が活用されてきました。
また、日本国内に留まらず、香港、韓国、英国など海外からも来館いただき、資料の閲覧提供や情報交換を行ってきました。
アーカイブセンターでは、さまざまな方々の協力を得ながら「全国アート・プロジェクト資料」の公開を続けてきました。NPO法人アート&ソサイエティ研究センターは、引き続き資料の利活用への支援を続けていきます。