ART & SOCIETY RESERCH CENTER

P+ARCHIVE

2015.12.25

海外プロジェクトの新着資料

ブログの更新が滞ってしまい2015年も年末を迎えようとしておりますが、
今年も一年ありがとうございました。
最後に新着資料のご紹介です!
visionforum-londonvisionforum-london

一見CDジャケットのようなこちらの資料は2010〜2012年にイギリスで展開されたプロジェクトの作品です。
参加アーティストのKazさんが先日P+Aセンターへお立ち寄りになりご寄贈下さいました。
プロジェクトの記録集ということではなく、参加アーティスト6人のコラボレーションによる「作品」で、
開いてみると色々な折り方を試してみることになります。
このことからもどうやら入り組んだプロジェクトであったことが伺えます。
visionforum-londonvisionforum-london

資料はもちろん英語で、プロジェクトの全貌を読み解くことは私には難しそうでしたので、
Kazさんに日本語での説明文もお願いしました。(以下引用)
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Vision Forum London:
スウェーデンのリンショーピング大学のKSM(Kultur Samhälle Mediegestaltning=文化/社会/メディア・プロダクション)で発足した現代アートのリサーチ・グループVision Forumの「節」の一つ。ロンドンを拠点に2010年10月から2012年1月の間活動していたキュレーターとアーティストにより構成されたグループである。
母体のVision Forumはパフォーマンス、エキシビション、ワークショップと教育といったジャンルを問わずに、各プロジェクトの参加者であるアーティストとキュレーターが必要に応じて臨機応変に提起された問題を探究するという目的の元に発足、2008年より現在の形式で国際的な活動が続いている。

Time Capsule and Conditions of Now:
時間の流れから抽出されたものである「タイムカプセル」、そして「今」という時間をお互いの関連性も考察しつつ探究していくことを目的としたプロジェクト。
発起人であるキュレーター/ライターのFatos Ustek(http://www.fatosustek.com)によってそれまで面識のなかった下記の6人のメンバーから構成された。

Lisa Skuret(http://lisaskuret.com
Vanda Playford
Jean Matthee
Kaz(http://www.kaznet.org
Ole Hagen
以上、英国在住アーティスト
Soledad Garcia Saavedra
チリ在住、キュレーター/ライター

イギリスの新古典主義建築を代表する建築家であるジョン・ソーンのロンドンの住宅(現在はSir John Soane Museum)や精神分析の父、フロイトが晩年を過ごしたロンドンの家(現在ではFreud Museum)という、両者が生涯に購入した大小の美術品の宝庫となっている建物や、イギリスの詩人/劇作家のT・S・エリオットに由来のある教会、スウェーデン出身の科学者・神学者・神秘主義思想家であるエマヌエル・スヴェーデンボリに影響を受けて創設された新エルサレム教会の一つにおいて、それぞれメンバーの一人がプロジェクトのテーマに関連した「ガイド・ツアー」を2010年10月より行った。
その他にシャーマン・ワークショップや10日間の瞑想コース、そして宇宙には時間は存在しておらず、時間とはあくまで人類の感覚としての幻想だと主張している英国の物理学者ジュリアン・バーバー宅を訪問するという事をグループとして実行。
最終的には2012年1月にロンドンのDavid Roberts Art Foundationにてそれまでの経験を元に各メンバーが作品を発表するグループ展を開催。それと同時にメンバー全員のコラボレーションによる印刷物も出版した。
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このプロジェクトを実施したグループ、Vision Forum Londonのホームページではプロジェクトの様子がブログで紹介されていますのでご興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。
http://visionforum-londonhouses.blogspot.com

また実際の資料はP+ARCHIVEセンターで閲覧していただけます。
来年は1月7日(木)より木金の開館になります。

皆様、良いお年をお迎え下さい。

P+ARCHIVE
A.K

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