8/31、「P+ARCHIVE」第三回研究会が行なわれました。
前半は、第二回レクチャーに引き続き、慶応義塾大学アートセンターの上崎千先生をお招きして、アーキビストによる具体的な方法、とくに「分類」作業における具体的な方法(考え方)を教わりました。
近代的で合理的な作業のように見える「分類」。しかし実際はどんな分類も「中国の百科事典(ボルヘス)」のような非合理に陥ってしまう可能性がある。アーキビストの作業であってもそれは避けられない。だからこそ、最初から分類の内部に「宙づり」の要素を抱え込んでおく必要がある。つまり「その他」という項目を必ず設定すること—。
お話の核心部分だと思いますが、目からウロコでした。
後半は「P+ARCHIVE」がアーカイブ構築へ向けて実際にどのような方針で活動を進めていくのかについて説明し、その後、受講生のみなさんに7つのアーカイブ・グループに分かれていただきました。
グループは基本的に3名で一組。それぞれが担当する「リアル・プロジェクト」をアーカイブしていくことになります。今回の研究会では具体的なスケジュールを話し合うことはできませんでしたが、おぼろげながらもアーカイブのスタートラインが見えてきたかな、といったところです。
プロジェクトへのアプローチ方法や、目標設定、そして予算のことなど、受講生のみなさんからたくさんのご質問・ご意見をいただきました。これから様々なことを、受講生とA&Sあわせた「P+ARCHIVE」のメンバーが一丸となって話し合い、決定していかねばなりません。みんなで忌憚のない意見交換ができればよいと思います。
さて、第三回レクチャーは9月9日開催。講師はICC学芸員の畠中実氏です。レクチャーのほうはまさに折り返し地点。今回も学ぶことはたくさんありそうです。
レクチャーと研究会で、私の頭はアーカイバル・マインド一色です。
(アート&ソサイエティ研究センター 清水康宏)