慶應義塾大学アート・センターの「土方巽アーカイヴ」は1998年、今から25年以上も前から領域横断的なアート・アーカイブのあり方を見据えて設立され、現在まで取り組みが継続されています。私達NPOが2010年にP+ARCHIVEの活動を開始する際にも学ばせていただいていました。
この度はアート・センター「土方巽アーカイヴ」学芸員の石本華江さんにご案内いただき、現在の実践についてお伺いしました。最初に他では見ることのできない記録映像を視聴させていただきました。視聴後、その舞台で土方巽が着用していた衣装を収蔵庫で実際に見せていただき、白黒の映像ではわからなかった鮮やかな赤色、さらに手に取って、ずっしりした重さを感じる体験をさせていただきました。
国内外からダンサーや研究者の訪問が絶え間なくあり、「舞踏」を知らないから訪れる人もいるということで、だからこそアーカイブでの体験が訪問者にとって貴重な時間となるよう対応されている姿勢が大変印象的でした。設立当初からの「ジェネティック・アーカイヴ」というコンセプトを大切に継承して、土方巽に出会う場を提供されています。
IDの付け方など、長く取り組まれているゆえに生まれる判断の悩ましさ、といった現場ならではのお話しもお聞きでき、色々と意見交換をさせていただきました。
今後ともまた訪問させていただく機会など持ちたいと考えています。