2022年10月12日〜2023年2月5日の会期で、東京国立近代美術館の所蔵作品展「MOMATコレクション」の企画の一つとして開催された「プレイバック『抽象と幻想』展(1953–1954)」を鑑賞しました。この展示は、開館70周年を迎えたタイミングで企画され、1953年12月1日〜1954年1月20日に開館1周年を機に開催された展覧会を、アーカイブ資料や再現VRを織り交ぜて振り返る展示となっています。この展示を担当し、P+ARCHIVEのアドバイザリー委員も務めていただいている長名大地さんに展示をご案内いただきました。
コレクション展示にて、他の作品と並んでアーカイブ資料にスポットを当てた展示が企画されたことは、鑑賞者にコレクションとアーカイブの関係を考えるきっかけになる意欲的な取り組みです。さらに最新の技術として再現VRも取り入れて、単に過去を振り返るだけでない、展示から新しい視点が生まれてくる可能性を広げるとてもおもしろい展示でした。展示会場で配布された小冊子も、1953年に発行されたカタログの復刻版を組み合わせるなど、過去と現在を俯瞰して捉えられる工夫が随所に織り込まれ、アーカイブを展示する視点をアップデートできる体験でした。
展示については、東京国立近代美術館が刊行する美術館ニュース『現代の眼』でも詳しい記事が公開されています。以下の記事も併せてぜひご覧ください。
展覧会の再構成を超えて 「プレイバック「抽象と幻想」展(1953–1954)」から考えること
https://www.momat.go.jp/magazine/143