ART & SOCIETY RESERCH CENTER

P+ARCHIVE

2011.10.08

P+ARCHIVE2011第一回ワークショップ「アート・アーカイブのアーカイビング」報告

第1回ワークショップはファシリテーター筒井弥生さんのお話を中心に「アート・アーカイブとは何か?」ということについて考えました。

お話の内容は、アーカイブとアーカイブズの言葉の違いから、文書と記録、記録とアーカイブの違い、そしてヴァイタルレコードとは何か?などにも及びました。また、参考文献や参考サイトの紹介などもあり、アーカイブを理解する上で、より実践的な内容を知ることが出来ました。
第1回レクチャーがアーティストよりのアーカイブのお話であったのに対し、今回のワークショップはよりアーカイブ側に立ったお話という印象を受けました。また、アーカイブに関する言葉の意味を知ることや既存のアーカイブについて知ることは非常に意義深いことで、今後のレクチャーやワークショップもより一層楽しみになりました。
お話の中で「アート・アーカイブガイドブックβ版をみんなでα版にしましょう」という旨の言葉がありましたが、私はこの言葉を聞いて、ただ受講し学ぶだけでなく実際にアーカイブに参加していきたいと思いました。

後半は参加者の自己紹介を兼ねて、自らのヴァイタルレコードは何か?ということを考え、発表しました。手帳やパスポート、ウェブ上のパスなど、答えは様々で、非常に興味深い内容となりました。
ここで私が思ったことは、ヴァイタルレコードもそれぞれの立場や場面によって変化するのではないか?ということです。今年は震災という大きな出来事もありましたが、どういう場合において何が重要かということを考える良いきっかけにもなったと思います。アートプロジェクトに様々な形があるのと同様に、あるいはアーカイブにもプロジェクトや時代に応じたそれぞれの形が必要なのかもしれません。

今回のワークショップを終えて、既存のアーカイブのことをもっと知り、実際に作業にも関わってみたいと思いました。また、実際にアーカイブに触れることはアーカイブをより深く知ることにも繋がっていくと思います。
次の課題の一つとして、アーカイビングしたい対象を探すことが挙げられています。受講生それぞれがどのような対象を選ぶのか、そしてワークショップにおいてどのような議論がかわされるのか、非常に興味深く今から楽しみです。

(P+ARCHIVEゼミ受講生 山崎貴)

(写真 中村有理沙)