2013年3月13日に行われたレクチャー&ワークショップの最終回では、1年間にわたって行われた「種は船プロジェクト」のアーカイブ構築を実務の視点からを振り返っていった。
アーカイブの構築にあたり、最初に取り組んだことはアーカイブに収集した資料の情報を記述してまとめる目録のフォーマットを作成することである。今回の事業では、2011年度にP+ARCHIVEで構築されたアートプロジェクト・アーカイブ『Morphe’95~2000資料』の目録をたたき台に、不必要な項目を削り、そして不足している項目を追加する形でフォーマットの作成していったことを解説した。
目録のフォーマットが完成させた後行うのが、移管された資料の受け入れ、概要調査である。概要調査とは大量の資料を受け入れて調査する際、作業の最中に資料が紛失することを避けるため、資料群の元の状態、即ち原秩序を調査し、そしてそれを概要目録に記録する作業である。今年度のレクチャー&ワークショップの内、ワークショップはこの概要調査が中心であった。
次に移管された時に収納されていた容器から、資料の閲覧や管理が容易かつ長期保存に適した容器へと資料を移す作業と、用意した容器に入らない大型サイズのデジタル画像撮影作業について解説した。ここでは特に容器サイズの都合上別の容器に入れざるを得なかった資料が、本来資料のどの場所にあったのかを示すインデックシートの解説に力を入れた。
最後に本目録についての解説を行った。本目録とは概要調査時に作成した概要目録をたたき台に資料を精査した上で資料群の構造を再編したものに、資料1点1点にID番号を付与し、そして撮影したデジタル画像のファイル名を記述したものである。
以上の様に、1年間に渡るアーカイブ構築作業を振り返った後、受講生からの質疑応答を経て、今年度最後のワークショップを終えた。
(インストラクター 松井隆)