フェスティバル/トーキョー(F/T)よりアーカイブに関する相談を受け、F/Tが取り組むアーカイブプロジェクトに協力しました。このプロジェクトでは、過去に開催された全13回のプログラムをデータベース化し、将来的にライブラリー設置を視野に入れた方針で話し合いながら進めました。
プロジェクトのスタート地点として、F/Tが保有する資料の保管状況を俯瞰的に記録し、アーカイブの方針を検討するための基盤情報を集める現状調査を実施しました。現場調査は、2021年4月23日に旧真和中学校のF/T実行委員会事務局オフィスにて、関係者へのヒアリングと合わせて実施しました。
現場調査では、まず資料を保管している場所の簡易フロアマップをスケッチし棚の位置関係を記録します。そのうえで、棚一段ごとに固有IDを付与し写真で記録し、棚のサイズや保管されている資料点数を概算で集計し、調査票にまとめていきます。ここでは資料全体のボリュームを把握することを目的とし資料1点ずつを細かくはみていきませんが、調査の上で特徴的な資料や気づいた点があれば簡潔にメモを残します。
調査で作成した調査票をまとめて全体の資料点数を明確にすると、資料全体を俯瞰的に捉え資料群のおおよその全体像を把握できるようになります。例えば資料価値の高い資料を見つけ出して優先して取り組むべきことを明確にしたり、資料保管における課題点を明らかにすることができます。
この現場調査を踏まえて、F/Tと打ち合わせを行い、アーカイブの方向性やアーカイブ対象の範囲と優先順位、公開方針、実施体制などを確認していきました。最終的に現状調査フロアマップや、概要目録、現状調査の写真記録をまとめた現状調査報告書を提出しました。次のステップとして「F/T データベース(仮)」の構築を目指すことにまず取り組み、データベース項目の検討を始めました。