Malcolm Miles, London and New York: Routledge, 1997.
著者のマルコム・マイルスは、パブリックアートが都市の未来を築く上でどの様な価値を持ちえるのか?という問いを追求している。彼は、アートの2つの役割に焦点を絞っている。都市デザイン再検討するうえでのデコレーションとして、また批評性と社会に深く関わるうえでの社会的プロセスとしてアートが果たす役割を探求する。都市計画、社会学、文化地理学、批評理論からの鋭い視点を持ちつつ、提案的方法によりアートの視点を用いながら、価値の構造と社会的必要性において、公共性のためにアート活動が位置づけられるという美的判断の制限を越えて、アートがしっかり支えられた活気溢れる都市の未来とまちに対する批評の役割を持つかもしれないことを提言している。